数学で考える昇段確率

けん玉の技の成功率は、その時の技術的・心理的状態に大きく左右されますので、 サイコロをころがすときのような確率論がどこまで意味があるかわかりませんが、 一つの考え方としてご参考になればさいわいです。

初段から四段までは、合格するために10種目をクリアする必要があります。 各種目をクリアできる確率が90%だとすると、 合格確率はどのくらいになるでしょうか? 90%というと高い気がしますが、平均して10回に1回失敗するということです。 10種目あるわけですから、不合格の方が当たり前ということになります。 ちゃんと計算すると0.9を10回かけて0.349、つまり34.9%の合格率しか ないことになります。 もし、最終合格率を50%にしたければ各種目の成功率を93.3%に、 80%にしたければ97.8%にする必要があります(10乗根を計算します)。

次に、各種目の成功率を93.3%または97.8%にするために必要な 試技の成功率を見てみましょう。 当然ですが、規定回数が多くなるほど、 必要とされる成功率は高くなります。 計算は 少し複雑 になりますが、 結果を表にまとめてみました。

必要とされる試技の成功率

例えば、初段の合格率の目標を80%にしましょう。 すると、各種目を97.8%でクリアすることが目標になります。 これに対して、規定回数が4回の「世界一周」「灯台」は66.0%、 3回の「けん先すべり」「地球まわし」は56.4%、 2回の「さか落とし」「うらふりけん」は45.4%、 1回の「宇宙一周」「うぐいす」「つるしとめけん」「はねけん」は31.7%の 成功率を目指して練習すれば良いことになります。

段位による昇段確率の違い

初段と二段、三段と四段、五段と六段の試験の種目は同じです。 それでは、規定回数が変わると合格確率はどのように変わるでしょうか。 下の段位の試験において各種目のクリア率が 変わらないものとして(合格率の10乗根または11乗根)、 上の段位の合格率を計算してみました。

下位の段と上位の段の合格率の関係

下の段位の合格確率が50%程度だと上の段位の合格確率は10%にも満たないことがわかります。 1段の差は結構大きいようです。 特に、五段と六段では各種目の規定回数が2回違いますので大きな差になっていることがわかります。

inserted by FC2 system